「激しくやりあったところ」(バーブドワイヤー=有刺鉄線」というのは、
「結局レンジのことでしょ?」と聞かれたら、ある意味で正しく、ある意味ではまったく違うとも言えます。

似たように見えても違うというのは、その機能というか、内容によります。

例として
「長大陽線」は本当に強いのか?という問題があります。
長大陽線なり、長大陰線ができるときには、2つの理由があると考えられます。

ひとつ目は、本当に売り買いのどちらかが仕掛けてきて、強い意思を示している、
「強い力のある足」です。

次に考えられるのは、真空を駆け上がる(陽線の場合)、真空を駆け下がる(陰線の場合)
というのが考えられます。

これを解説すると、たとえば大きなトレンドは上昇トレンドの場合に、
調整の動きが始まり、それがある価格を目指して下降している時に、たぶんそれは、なんらかの利益目標値か、
テクニカルの試しか、切りの良い数字(100.000等の)だったり、そのときによって違いますが。
市場の多くの投資家が同意するポイントになります。

例として、ドル円が110.00円まで上昇して、大きなトレンドがアップトレンドだとして、
これが下げ始め、105.00あたりで持ちあった後に、下げた場合を考えると、
「105.00で持ちこたえて上昇トレンドが継続するかもしれないと思ったが、下に抜けてしまった」
となると思います。これが続いて104.000と下降した場合、当然市場の参加者は
「100.00」を強く意識します。そこで「賢い機関投資家」は、どうせ買うなら安く買いたいと、
100.000に下げてくるまで「買い控え」ます、すると市場は、買い手不在のまま、
す~っと下げてしまいます。そして100.00に到達すると急激に買われたりするわけです。

これは、意識されるサポレジでも、近づくと最後がす~っと長い陽線や、陰線がでる理由でも有り、
それをみてすわ「ブレイクだ!」と思って早エントリーする人達の墓場でもあります。

「強い足と見て、ブレイクすると思ったのに、急激に反転したよ~」となるわけですね。

つまり、あるラインに対して、急激に進行する長い足でも、その内容が「強いから」ではなく、
「相手が弱い(もしくは不在のため)」ために形成 される場合は、真に強さを表していないこともあります。

アル先生も、チャートパターンの呼び名や、ローソク足の組の名前はどうでもよい、その意味するところが
大事だ!と書いていますが。わたしもそう思います。
そういった上辺のことだけ覚えても、その時により意味が異なるのは明白なので、
「こういうローソク足の組み合わせになったら、ロング!」とかいう手法は、少ないエッジはあるかもしれませんが。安定した成績にはつながらないと思います。(同じように、トライアングルをブレイクした!ヘッドアンドショルダーをブレイクした!等、なんでも同じです)

話はもどって、レンジとわたしが言う「激しくやりあったところ」では意味が違って、
通常のレンジは、そこで売り買いが消化されていく、小さいが実体があるローソク足が連なって、
うねって、レンジを形成しいる、つまりエネルギーを溜めていて、スクイーズ傾向がある。
次の爆発への準備段階と認識しており。

同じレンジでも、上下に激しく長いヒゲがあり、ある意味で「汚い」ほどやりあっている、戦いの痕を指して
「激しくやりあっているところ」と呼んでいます。これも長大線と同じで、強い長大線、真空を駆けた本当はたいして強くない、もしくは意図的なクライマックスを演出する長大線どちらも、「長大線」という括りになってしまっているように、レンジも「スクイーズ傾向があるレンジ」と「汚いほど双方譲らずにできた上下にヒゲの多い、レンジ」も
同じように「レンジ」と現在は呼ぶのかもしれませんが、これも本当は言葉もわけて考えるほうが良いと思われます。

レンジがスクイーズ傾向があり、エネルギーをためている場合は、レンジブレイク成功することが多く、
そのレンジの内容が、上下にヒゲがたくさんあり、激しくやりあっている場合は、ブレイクが失敗することが多く、
もしある程度ブレイクが成功したとしても、結局価格は戻されて、そのレンジのセンターにタッチしにいきます。
(売り方も買い方も、大きな機関投資家は簡単には陣地を諦めないです、それゆえ必ずといって良いほど、
陣地の奪回に行きます、その後は、奪回に対して、防衛側が買った場合は、急激な反転になり、
力が拮抗した場合は、再度そのレンジ(陣地で)、やったり、やられたりを繰り返すか、
もし奪還が成功した場合は、多くの場合、一気にそのレンジを反対側に抜けていくことが多いです。)

というのが私が検証で見つけた傾向となります。
気になる方は、過去チャートで、「レンジ」と「激しくやりあっている」ところを差別化して、認識練習すると共に
その後どうなっているのかの統計を取ると面白い気づきがあると思います。